禁煙について
はじめに
タバコが健康に悪いのはわかっているし、家族からも禁煙を勧められている、喫煙できる場所も年々少なくなって肩身が狭いし、タバコ代は値上がりする・・・・。
でも、いざ禁煙しようと思っても長続きしないのはなぜでしょう?
ニコチン依存症
タバコをやめられないその原因は「ニコチン依存症」にあります。タバコの煙に含まれるニコチンは、麻薬にも劣らない強い依存性を持っています。
そのため、現在では、喫煙する習慣の本質は「ニコチン依存症」という、治療が必要な“病気”であるとされています。
タバコを吸うと、体に取り込まれたニコチンは数秒で脳に達し、快感を生じさせる物質(ドーパミン)を放出させます。
ドーパミンが放出されることで、喫煙者は快感を味わいます。
タバコを吸うことで、イライラや落ち着かない感じがスーッと収まっていく感覚を喫煙者なら誰でも味わったことがあるはずです。
仕事や家庭でのイライラを解消できるタバコは欠かせない存在と考える方も多いでしょう。
しかし、このイライラの原因は仕事や家庭などの社会生活におけるストレスだけではありません。
タバコを吸い終わって1時間もしないうちに、血液中のニコチン量は減少します。それによって、イライラや落ち着かないなどのニコチン切れ症状(離脱症状、禁断症状)が現れます。
実はイライラの正体は社会生活でのストレスではなく、喫煙習慣があるが故のニコチン切れ症状である可能性が高いのです。
喫煙という行為は、喫煙自体が原因で生じたイライラを次の1本を吸うことで解消しているだけといえます。
その結果、1本吸うとまた次の1本が吸いたくなるという悪循環に陥ります。
この状態が「ニコチン依存症」(喫煙の習慣)です。
この「ニコチン依存症」から脱することができれば、イライラなどのニコチン切れ症状とは無縁の生活を送ることができるのですが、風邪を意思の力で治せないのと同じように、病気である「ニコチン依存症」を意思の力だけで治すことは難しいのです。
健康保険で受けられる禁煙治療
2006年より禁煙治療に健康保険が適用され、患者さんの治療費負担が軽くなるなど、ニコチン依存症を治すための環境が整いつつあります。
禁煙治療を健康保険などで受けるには一定の要件があり、1回目の診療で医師が確認します。
要件を満たさない場合でも、自由診療で禁煙治療を受けることができます。
こんなにある、禁煙のメリット
「長年吸ってきて肺は真っ黒だろうから、いまさら禁煙しても無駄だ」などと考えていませんか?そんなことはありません。
実は禁煙は始めたら短期間のうちに効果を実感できます。
禁煙後20分から10年後のリスクの低下
ニコチン依存症の診断テスト(NDS)は、精神医学的な見地からニコチン依存症を診断することを目的として開発されたものです。このテストは1998年度の厚生省の「喫煙と健康問題に関する実態調査」でも用いられています。
| 経過 | 低下するリスク |
|---|---|
| 20分 | 血圧や脈拍が下がる |
| 12時間 | 血液中の一酸化炭素濃度が正常になる |
| 2週間~3ヶ月 | 心機能・肺機能が改善する |
| 1~9ヶ月 | 咳、息切れが改善する |
| 1年 | 上昇していた心臓の病気(冠動脈疾患)のリスクが半減する |
| 5年 | 脳卒中のリスクが吸わない人と同じレベルになる |
| 10年 |
肺がん死亡率が喫煙者の半分になる 口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、子宮頸がん、すい臓がんになるリスクが低下する |
健康面以外でも美容や金銭面、その他生活に関わる多くのメリットが得られます。
例えば、1日1箱吸っていたとすると、1年で約11万円、家電が買い替えできますね。
禁煙治療
標準的な禁煙治療のスケジュールでは、12週間にわたり合計5回の診察が行われます。
毎回の診察では、禁煙補助薬の処方を受けるほか、息に含まれる一酸化炭素の濃度を測定します。
一酸化炭素はタバコの煙に含まれる代表的な有害物質ですが、禁煙を始めれば、この値は低下します。また、禁煙を継続するために医師のアドバイスを受けることができます。
「お医者さんと禁煙」すれば、楽に禁煙することができます。
禁煙の薬「飲む」「貼る」「かむ」
飲む ニコチンを含まない飲み薬
1日2回(※1)、食後に飲みます。飲み始めてから8日目に禁煙を開始します。(※2)
通常、12週間、服用を継続します。医師の処方が必要です。
- 一定の要件をみたすと、健康保険等が適用される(注)
- 飲むだけなので簡便
- ニコチンを含まない
- 肌の弱い人でも使用できる
- 接客などの職種や歯・顎の問題などでガムをかめない人でも使用できる
※1 1日1回から開始し、飲み始めの1週間で徐々に服用量を増やします。 ※2 自然にタバコを吸わなくなった場合は、8日目を待たず早めに禁煙に入ります。
貼る ニコチンパッチ
ニコチンパッチは、ニコチンを含んだ皮膚に貼る薬です。1日1回、上腕やお腹、背中などに張ります。
標準的な使用期間は8週間です。皮膚のかぶれを防ぐため、毎日貼る場所を変えるとよいでしょう。
薬局・薬店で購入するタイプと、医師に処方してもらうタイプがあります。
- 人にきづかれない
- 接客などの職種や歯・顎の問題などでガムをかめない人でも使用できる
- 医師に処方してもらうタイプは、一定の要件をみたすと健康保険等が適用される。(注)
かむ ニコチンガム
ニコチンガムは、ニコチンを含んだガムで、口の粘膜からニコチンが吸収されます。
1回の使用量は必ず1個とし、禁煙し始めは吸いたくなったときにがまんせずにかみ、次第に減らします。
かみ方は普通のガムと異なりますので、十分に理解してから使用しましょう。
- タバコが吸いたくなったときにいつでも使用できる
- ニコチン補充と同時に口寂しさも紛らせる
(注)
2006年4月1日から「ニコチン依存症管理料」が新設され、禁煙治療が保険適用になりました。
一定の要件を満たす必要がありますので、かかりつけの医師にご相談ください。
ニコチン依存症の診断テスト(TDS)で5点以上
| 項目 | 設問内容 | はい 1点 |
いいえ 0点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。 | ||
| 2 | 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。 | ||
| 3 | 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。 | ||
| 4 | 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。 (イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加) |
||
| 5 | 4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。 | ||
| 6 | 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。 | ||
| 7 | タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 | ||
| 8 | タバコのために自分に精神的問題(注)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 | ||
| 9 | 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。 | ||
| 10 | タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。 |
生理学的な側面からニコチン依存症の程度を簡易に評価するためのスクリーニングテストとして、国際的に広く用いられていますが、精神医学的な立場から薬物依存症としてのニコチン依存症をスクリーニングする場合はTDSを用いるのが望ましいと考えられます。
(注)
禁煙や本数を減らしたときに出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、禁煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
健康保険適用の要件を満たしているか、セルフチェック
セルフチェックリスト
(1日の禁煙本数×禁煙年数)が200以上
例)25歳から1日15本喫煙している45歳の人の場合
15(本)×20(年)=300 となり、200以上なので対象となります。
1ヶ月以内に禁煙したいと思っている
医師から受けた禁煙治療の説明に同意
医師の説明内容に納得されたときは、文書で同意します(サインなど)
禁煙について詳しくはこちらをご覧下さい。
>> 「すぐ禁煙.jp(ファイザー)」






