名古屋市北区の内科はうわとこクリニック
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認知症の症状

中核症状と周辺症状(BPSD)

認知症の症状には、中核症状周辺症状があります。
認知症は記憶障害を中心とした認知機能障害=中核症状です。

  • 中核症状
    中核症状は、見当識障害や判断力の障害や物忘れなどの基本症状があります。
  • 周辺症状
    基本症状が背景にあって出てくる不安感やその不安によって起こる行動としての徘徊などを周辺症状といいます。

この中核症状とから引き起こされる周辺症状のことをBPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia)=「認知症に伴う行動障害と精神症状」と言います。
認知症の高齢者はあえて問題ある行動をとっているわけではなく、そうせざるを得ない精神的な根拠があり行動している事を介護側も承知して関わることがとても大切です。
中核症状周辺症状についてくわしくまとめました。

記憶障害
中核症状

認知症の代表的な症状といえる記憶障害には主に短期記憶障害と長期記憶障害の2種類があります。

  • 短期記憶障害
    少し前の出来事が思い出せず、同じことを何度も繰り返したずねたり、置き忘れやしまい忘れがおおくなり、いつも探し物をするなどの症状。
  • 長期記憶障害
    月日等の常識的な事柄や、子供や親しい友人の消息などが答えられなくなるなど、以前に記憶したり経験や体験が思い出せなる症状。
 
抽象能力や判断力

次の4項目のうち最低でもひとつの該当がある場合に「認知症」の疑いがあります。

セルフチェックリスト

抽象的思考の障害

学校は何をするところ?といった単語の意味が的確に答えられなくなったり、牛と馬の類似点・相違点をいうことができない、同じ範疇に属するものを3つ以上あげられなくなる(例えば、食べ物、乗り物など)、など、抽象能力に障害があること。

判断力の障害

日常生活や常識に関連した問題を手順よく計画的に処理できないことをいいます。
「財布が落ちていたらどうしますか?」「隣の家から煙があがっていたらどうしますか?」といった質問に対して、的確な答えができなくなります。

高次大脳皮質機能障害

大脳皮質の障害により起こる症状で、失語症、失認症、失行症の3つの症状がみられます。
  • 失語症
    肉体的な機能は問題がないのに、言語中枢の破壊により意味のある言葉を話そうとしても声がでない、言葉に詰まってしまう状態。
  • 失認症
    視力はあるのに、目で見ただけでは物の名前が言えず、手で触ったり匂いをかいだりすると物の名前がわかるというような対象物体を正しく認識できない状態。
  • 失行症
    手足に麻痺はないのに、目的に応じた動作ができない状態。「マッチをすってタバコに火をつける」といった一連の動作ができなくなります。

性格の変化

記憶障害の現れてくると、性格の変化がしばしば見られます。
以前からの性格が極端化する場合と、以前の性格がなくなって全く違う人柄に変わってしまう場合があります。

日常生活への支障

記憶障害や抽象能力・判断力に障害があっても、それが職業や対人関係などの日常生活に支障をきたしていない場合は認知症とはいいません。
軽い物忘れだけでは認知症とはいわず、これらの結果、いろいろな失敗やミスが生じたり、誰かの指示や支援がないと日常生活ができなくなったレベルになって初めて認知症と診断されます。

意識障害がない

意識清明とは、「自分の周囲の状況が性格に把握でき、状況の変化に対し適切に対応できる状態」であり、これが低下している状態を意識障害といいます。
認知症と診断されるには、意識は清明であるのに、前記の症状が出ていることが要件となります。

器質性遺伝子

器質性とは、肉眼ないし顕微鏡のレベルで何らかの異常が見つかるということで、簡単にいえば、「脳の破壊が証明される」ということです。
アルツハイマー型認知症にみられるような脳の萎縮や、脳血管性認知症にみられる脳出血の影響が過去にあるなどです。

徘徊

無目的に歩き回る行動ですが、実際は何らかの理由が存在することが多いです。自分の住んでいる場所が自分の家であることがわからなくなり、以前住んでいた家が本当の住まいだと思い探し歩いたり、物を置いた場所を忘れたり、トイレの場所がわからなくなり探して歩き回ったりします。

失禁

加齢や障害により、尿意を感じても、括約筋低下のため「がまん」するのも困難になります。
また尿意を感じなくなることもあり失禁してしまいます。排便は排便反射が低下していると便意を催すチャンスも逃しがちで、また括約筋低下とともに、がまんできず便失禁が起こってしまうことがあります。

睡眠障害

1日のうちにも居眠りや夜間の覚醒が頻繁にみられ、睡眠・覚醒の正常なリズムが崩壊します。
またアルツハイマー型認知症においては夜間睡眠の分断とレム睡眠の低下が特徴とされています。(レム睡眠―浅い眠り)

帰宅願望

「家に帰りたい」という願望です。病院や施設などで「家に帰りたい」と言って電話をしたり、自分の荷物をもってエレベーターや玄関を出て行こうとします。
そして座って迎えの人を待ったりします。この行為は在宅でも起こり「家に帰る」という認知症の人は案外多く、「家」はさまざまで昔、自分が育った家だったり、安心できる居場所だったりします。

食べない

原因の多くは身体疾患によるものが多く、認知症高齢者は、自ら身体の不調を訴えないため、普段の食事の摂取量から比較して突然量が低下した場合、急性期の疾患を考える必要があります。
また精神的な原因で食事を拒否する拒食の場合の多くは家族から見捨てられる不安や環境の変化などの心的要因が多いです。

異食

異食は中度から高度の認知症にみられますが、異食の前段階においては、廊下や家の中を徘徊している途中で、周辺に落ちているものを拾っては集める行為からそれを食べ物と誤認して口に入れる行為につながっていくと推測されます。普通には食さないもの。たとえば便、ごみ、砂、毛髪、紙や布なども口にするということが見受けられます。

物取られ妄想

現実にはない出来事・事がらを間違った判断で思い込んでしまうことを妄想といいます。
初期の認知症高齢者によくみられ、突然「私の財布がなくなった。あなたが盗ったんでしょう」などと平気で人を傷つける言葉をいったりします。
対象となる人は本人にとって一番身近な人が攻撃の的になることが多く、対象となる人に精神的なストレスを与えます。

ケアの拒否

お風呂に入るのをいやがる、洋服を着替えるのをいやがる、おむつ交換や下着を交換するのをいやがるなど日常生活動作を行ううえでのケアに対する拒否行為を言います。
とくに身体接触の多いケア、つまり清潔や排泄に関するケアに対しての拒否が多く見受けられます。
やり方がわからない記憶障害や面倒くさい、裸になりたくないなどが考えられます。

暴言・暴力行為

自分のなかの感情をコントロールできないことによっておこる症状です。本人がしようとすることを途中で止めたり、注意をしたりした時、また何かの刺激で興奮してしまった時に現れます。暴言や暴力、大きな声の威嚇などが具体的な症状になります。また幻覚や妄想からおこる場合もあります。

記憶障害や見当職障害などは、脳の神経組織の障害によって起こり、認知症の人全員に現れるので、「中核症状」と呼ばれています。
認知症にはこのほか周囲とのかかわりで起こる「周辺症状」と呼ばれるものがあり、認知症の人のおよそ8割に現れるといわれています。

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